「永遠じゃない」ことを受けとめる─儚さと命の循環|猫物語74話

space angel soul モノとチャトラの物語

縁側に座って、ソラ君は庭の花をじっと見つめていた。

昨日まで鮮やかに咲いていた花が、今朝はもうしおれている。

「……なんで、こんなに早く枯れてしまうんだろう」

その声は、どこか寂しさを含んでいた。

チャトラがそっと隣に腰を下ろす。

「ソラ君、花は永遠に咲き続けるもんやないで」

ソラ君はうつむいた。

「分かってる。でも……終わりがあるって思うと、切なくて」

そのとき、ソラ君はしおれた花の横に落ちた小さな種に気づき、
じっと見つめた。
その視線は、終わりの中に何かを探しているようだった。
するとモノが、柔らかい声で言った。

「終わるからこそ、咲いてるあいだが輝くんかもやで?
花は枯れても、種を残して、また次の命につながっていく。
それは『なくなる』んやなく、『めぐってる』んや」

ソラ君はハッと顔を上げた。
確かに、散った花びらは土に戻り、そこからまた新しい芽が出る。

ソラ君は落ちた花びらの上にそっと足を置き、
風に揺れる庭を静かに見つめた。
その姿は、儚さもまた自然の流れとして受け取ろうとしているようだった。

「……『永遠じゃない』って、寂しいことだけじゃないんだね」

小さな声でそうつぶやくと、胸の奥に少しだけあたたかさが広がった。
その温もりは、儚さを受け入れたときに生まれる静かな安心感だった。


モノとチャトラより、あなたへ

大切なものほど、「ずっと続いてほしい」と願うのニャン。それは普通ニャン。
でも、永遠じゃないからこそ、その一瞬はかけがえのない輝きを放つんだにゃ。

終わりは「喪失」やなく、「めぐり」の始まりなんだにゃ。
そう思えたとき、心は少しやさしくなるんにゃ。


筆者のことば

私たちは「失うのが怖い」という感情を避けようとします。
これ、当然だとは思います。喪失感はとても深い。

一方、心理学では、喪失体験に伴う深い悲しみ――グリーフ(悲嘆)――に向き合うことは、心の成熟に不可欠なプロセスとされています。

グリーフケアの研究では、エリザベス・キューブラー=ロスが示した「死の受容の5段階」や、
J.W.ワーデンによる「悲嘆の四つの課題」などがよく知られています。
それらは「悲しみを忘れること」ではなく、失った存在との関係性を新しい形に作り直す作業であると強調しています。

実際のカウンセリング現場において、グリーフケアは最も難しい領域のひとつだと感じます。
なぜなら喪失体験は個別性が強く、誰一人として同じ経過をたどらないから。
「正しい癒しの手順」は存在せず、ただその人が語る言葉に寄り添い、
安全に悲しみを表現できる場を提供することが支援の中心になります。

同時に、グリーフは苦しみの側面だけでなく、
「失ったものを通して自分がどう生きていくか」という問いをもたらします。
その問いに向き合いながら、人は「悲しみを抱えながらも生きていく力」を少しずつ育てていきます。

だからこそ、グリーフケアは大変でありながら、
人のレジリエンス(回復力)や存在の意味を深く実感できる場でもあるのです。

大事なのは「痛みを否定しない」「乗り越えようと急がない」こと。


心のワーク

  1. 最近「終わってしまった」と感じた出来事を書き出してみましょう。
  2. その出来事が「次につながっていること」「誰かに残していること」を探してみてください。
  3. 「永遠じゃないからこそ、ありがたい」と思える瞬間を一つ見つけてみましょう。

📘 Kindle書籍も公開中

心にそっと寄り添うストーリーと、心理学のエッセンスをぎゅっと詰め込んだ 4冊をKindle出版しています。

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悩んだとき。
ひとりで抱え込みそうなとき。
まだ「相談」と呼べるほど、言葉になっていないとき。

自分の本音がどこにあるのかわからなくなった心に、
小さく光が灯るように──
あなたが あなたに戻れるように──

そんな願いを込めて書いています。


🌊 第4作目:『水のほうへ ―― 光と闇の法則・澪編』
がんばっているのに、なぜか息が苦しい。
ちゃんと話しているはずなのに、心がすり減っていく──
「強くなること」を選び続けてきた女性・澪が、
もう一度“自分に戻る”までを描いた、静かな再生の物語。
境界線・呼吸・安心感をテーマにした一冊です。


🌙 第3作目:『話してるのに伝わらない夫と、心がすり減る妻』
「どうしてこんなにすれ違うの?」
「話しているだけなのに、なぜ傷つくの?」
夫婦・パートナー間で起こる
見えない心理のズレを言語化し、
境界線の視点からほどいていく一冊。


🪞 第2作目:『光と闇の法則 ―― わたしを映す8つの鏡』
HSP気質、インナーチャイルド、自己肯定感の低さ──
心の奥にあるテーマを
「8枚の鏡」という物語構造で、やさしく見つめ直す本。
自分を責めるループから抜けたい人へ。


🥚 第1作目:『わたしと仲直りする優しいレッスン』
完璧主義、罪悪感、自分責めに疲れてきた方へ。
セルフ・コンパッション(自分への思いやり)という
新しい選択肢を、具体的な実践とともに届ける
『読むだけで少し楽になる』心のレッスン帳。


📚 どの本も共通しているのは、
答えを押しつけないこと。
無理に変えようとしないこと。

読むことで、
「あ、戻ってきたかも」
そんな感覚を思い出してもらえたら嬉しいです。

よければ、あなたの本棚にも一冊、
今の心に合うものを迎えてもらえたら──。

📚 シリーズ全話はこちら

モノとチャトラの物語全話はこちら:
https://kyoko.work/category/monotochatora/

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HSP気質で、人との距離感に悩んだり、
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「ちゃんとできない自分を責めちゃう」
そんなモヤモヤも、心の奥にある『あなたの願い』も、大切に聴かせてくださいね。

── ひとりで抱え込まなくて、大丈夫。
あなたのままで、安心して話せる場所、ここにあります。
(守秘義務がありますので、相談内容はどこにも漏れません)

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