夜が深まっていく。庭に差し込む月明かりは静かで、どこかやさしい。
ソラ君が残してくれた言葉が、まだチャトラの胸に響いていた。
──「ほんまの強さは、つながりを受け入れること」。
チャトラはずっと「強くなきゃ」と思って生きてきた。
泣いたら笑われる。弱さを見せたら置いていかれる。
そんな経験があったからこそ、気づけば「大丈夫、平気や」と強がるのがクセになっていた。
けれど、ソラ君の言葉を聞いた瞬間、胸の奥の氷みたいなものが、すこしずつ溶けていくのを感じた。
強がりの仮面が落ちるとき
「……わたし、ほんとは怖いんや」
チャトラは小さな声でつぶやいた。
モノがびっくりして顔を上げる。
![]()
「チャトラが? 怖いん?」
チャトラはうなずいた。
「ひとりになるのが怖い。見放されるのが怖い。……でも、それを見せたら嫌われるって思ってた」
言葉にした瞬間、目からぽろりと涙がこぼれた。
今までぎゅっと握りしめていた『怖さ』が、涙に変わって流れ出していく。
モノはそっと隣に寄り添った。
![]()
「チャトラ、泣いてええんやで。ぼくも怖くなるときあるもん」
その言葉に、チャトラの心がさらにやわらかくほどけていった。
やさしさを受け取ることは、弱さを認めることじゃない。
むしろ『ほんとうの勇気』なんやと気づいたのだった。
やさしさに溶けていく感覚
涙を流したあと、不思議と体が軽くなった。
頑なに張っていた肩の力が抜け、呼吸が深くなっていく。
「……なんやろ、からだがふわっとする」
チャトラは自分でも驚いた。
強がりを外したら壊れてしまうと思っていたのに、むしろ内側から温かさが広がってくる。
モノはにっこり笑った。
![]()
「それが『やさしさで溶けていく』ってことなんやない?」
チャトラははっとした。
ソラ君が言っていた「つながりを受け入れる」って、この感覚なのかもしれない。
やさしさに身をゆだねると、自分だけでは見つけられなかった安心がそこにあった。
すべてを受け容れる境地へ
その夜、チャトラは静かに空を見上げた。
涙の跡がまだ残っていたけれど、心は澄みきっていた。
「ソラ……ありがとう。わたし、少しずつでも、受け容れていけるようになる」
やさしさを拒まなくてもいい。
涙を隠さなくてもいい。
弱さを見せても、つながりは途切れない。むしろ深まっていく。
そう思えた瞬間、チャトラの中で『強さ』の意味が変わっていった。
強さは、固くなることじゃない。やさしさで溶けていくことなんだ。
モノとチャトラより、あなたへ
あなたは「弱さを見せたら嫌われるかも」と思ったことはないかにゃ?
でも本当は、その『弱さ』を見せられたときにこそ、人と人(猫と猫)とのつながりは深まっていくのにゃん。
チャトラのように、やさしさに身をゆだねる勇気を持てたとき、新しい安心感が広がっていくんだにゃ。
筆者のことば
心理学では、共感や寄り添い、やさしさを受け取る支えを 「情緒的サポート」 と呼びます。
これは単なる慰めではなく、ストレス反応を和らげ、自律神経を整え、心の回復力(レジリエンス)を高めることが研究でも示されているのです。
特徴的なのは、「どれだけ助けてもらったか」よりも「いざとなれば支えてもらえる」と感じられることの方が健康に強く結びつく点です。
また、共感が欲しいときにアドバイスばかりを受けると逆効果になることを知っていますか?
・話を聞いて欲しいだけなんだよね
・アドバイスしてもらったことはもう十分考えているんだよね
・これやった?あれやった?と言われてげんなりした
・クソバイス・・・
(そんなふうに感じたことありませんか?)
このようにニーズと支援の種類が合っていることも大切だとされています。
チャトラが涙を流せたのは、まさに情緒的サポートが働いた瞬間でした。
「やさしさに溶けていく」とは、弱さを見せて依存することではなく、しなやかに回復する力を取り戻すこと。
ソラ君の「つながりを受け入れてええんやで」というメッセージは、科学的にも理にかなった『心の支え』なんだと思います。
📘 Kindle書籍も公開中
心にそっと寄り添うストーリーと、心理学のエッセンスをぎゅっと詰め込んだ 4冊をKindle出版しています。
📘 Kindle書籍も公開中
心にそっと寄り添うストーリーと、
心理学のエッセンスをやさしく織り込んだ 4冊を
Kindleで出版しています。
悩んだとき。
ひとりで抱え込みそうなとき。
まだ「相談」と呼べるほど、言葉になっていないとき。
自分の本音がどこにあるのかわからなくなった心に、
小さく光が灯るように──
あなたが あなたに戻れるように──
そんな願いを込めて書いています。
🌊 第4作目:『水のほうへ ―― 光と闇の法則・澪編』
がんばっているのに、なぜか息が苦しい。
ちゃんと話しているはずなのに、心がすり減っていく──
「強くなること」を選び続けてきた女性・澪が、
もう一度“自分に戻る”までを描いた、静かな再生の物語。
境界線・呼吸・安心感をテーマにした一冊です。
🌙 第3作目:『話してるのに伝わらない夫と、心がすり減る妻』
「どうしてこんなにすれ違うの?」
「話しているだけなのに、なぜ傷つくの?」
夫婦・パートナー間で起こる
見えない心理のズレを言語化し、
境界線の視点からほどいていく一冊。
🪞 第2作目:『光と闇の法則 ―― わたしを映す8つの鏡』
HSP気質、インナーチャイルド、自己肯定感の低さ──
心の奥にあるテーマを
「8枚の鏡」という物語構造で、やさしく見つめ直す本。
自分を責めるループから抜けたい人へ。
🥚 第1作目:『わたしと仲直りする優しいレッスン』
完璧主義、罪悪感、自分責めに疲れてきた方へ。
セルフ・コンパッション(自分への思いやり)という
新しい選択肢を、具体的な実践とともに届ける
『読むだけで少し楽になる』心のレッスン帳。
📚 どの本も共通しているのは、
答えを押しつけないこと。
無理に変えようとしないこと。
読むことで、
「あ、戻ってきたかも」
そんな感覚を思い出してもらえたら嬉しいです。
よければ、あなたの本棚にも一冊、
今の心に合うものを迎えてもらえたら──。
🌙 無料カウンセリング、LINE・メールで受付しています。
HSP気質で、人との距離感に悩んだり、
「ちゃんとしなきゃ」と自分に厳しくしてしまったり。
夫婦のトラブル、恋人同士のトラブル。これって別れた方がいいのかな?
なんてお悩みの方に。🕊LINEで・メールで【無料】のご相談、受けつけています。現在繁忙のため、返信にお時間いただく場合がございます。
「わたし、このままでいいのかな?」
「ちゃんとできない自分を責めちゃう」
そんなモヤモヤも、心の奥にある『あなたの願い』も、大切に聴かせてくださいね。
── ひとりで抱え込まなくて、大丈夫。
あなたのままで、安心して話せる場所、ここにあります。
(守秘義務がありますので、相談内容はどこにも漏れません)
▶️ LINEで「無料相談」と送るだけでOK
LINEのID検索で 「@125bzmlf」 と検索、または以下の画像から登録にお進みください。


▶️LINEの登録に抵抗がある方や、落ち着いて文章で気持ちを整理したい方は、こちらのフォームをご利用ください。
まとまっていない内容でも大丈夫です。
無理に詳しく書く必要はありません。また匿名でのお問い合わせも可能です。ただしこちらから返信するためのメールアドレスはご記入ください。
▶ 文章で相談する(Googleフォーム)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeQf7Zi_kLWYRIc5LEsb7PwFvFctd57cY0NHxJ5h71drLlNkw/viewform
📚 シリーズ全話はこちら
モノとチャトラの物語全話はこちら:
https://kyoko.work/category/monotochatora/





コメント