生まれてきた理由─魂の目的|猫物語57

the art of living モノとチャトラの物語

その夜、空には満点の星が広がっていた。
モノとチャトラは縁側に並んで、ぽつりぽつりと話していた。

ソラは先に寝てしまったようで、ふとんの中からときどき寝言のような小さな「にゃ…」が聞こえる。

静かな夜。
風の音と、虫の声だけが響いていた。

「なあ、モノ」
チャトラがぽつりと言った。

「うちは、なんで生まれてきたんやろな……」

モノはびっくりして、チャトラの顔を見た。
その目は、どこか遠くを見ていた。

 

なんのために、生まれてきたんやろ?

「なんでって……どうしたんや、いきなり」
モノが問い返す。

「なんか最近、ふと思ってもうてな」
チャトラは目を細めて、星を見上げた。
「誰かの役に立たなきゃとか、ちゃんとせなあかんとか、昔からずっと思っててん」

「でも……
ほんまは、そんなんじゃなくて、もっと別の目的があったんちゃうかなって」

モノは黙って聞いていた。

チャトラは昔から、がんばり屋で。
誰かの期待に応えようと、無理してでも走ってきた。

「『なんかせなあかん』って気持ち、どっから来たんやろな」
チャトラは、ぽつりとつぶやいた。

「うちはただ、生きてるだけでええんやろか。
それとも、『何者か』にならなあかんのやろか……?」

 

魂の目的って、なんやと思う?

「モノは、思ったことある?
『生まれてきた意味』とか、『魂の目的』とか……」

モノはしばらく考えて、ゆっくり口を開いた。

「あるわ。
ときどき『なんでぼくここにおるんやろ』って思うことある」

「でもな、最近は思うんや」
「『答え』は決まってへんのかなって」

チャトラは少し驚いたように、モノの顔を見た。

「答えは……決まってない?」

 

「うん。
たぶん『生まれてきた理由』は、あとから見えてくるもんなんやと思う。
生きて、感じて、悩んで、迷って……
その全部が、ぼくらの魂を育てる旅なんや」

「だから、『これが正解』って決めるより、
『この今をどう感じてるか』を大事にしたいなって、最近思うのん」

 

ただ『いる』ことの意味

チャトラはしばらく黙っていた。
そして、ぽつりとこう言った。

「うち、小さい頃からな。
『ちゃんとせな怒られる』って思ってた。
『できない自分』には価値がないって、ずっと思ってた」

「でも今日、モノとこうして星を見てるだけで、なんか……
『ただいる』だけでいいんかもしれんって思った」

モノは、うなずいた。

「そうやで。
チャトラがそこにいるだけで、ぼくは安心する」
「それだけで、もう十分意味あるやんか」

チャトラの目に、ぽろりと小さな涙が浮かんだ。
でも、それは悲しい涙じゃなかった。

 

モノとチャトラより、あなたへ

「生まれてきた理由」や「魂の目的」って、
ふとしたときに気になって、苦しくなることもあるにゃん。

でも、その問いに『正解』があるわけじゃないのかもしれないんだにゃ。

誰かと比べなくていい。
なにかを成し遂げなくてもいい。

あなたが今、感じてること。
誰かと目を合わせたときのあたたかさ。
ふとした瞬間に心がほどける感覚。

そのすべてが、あなたの『魂』にとって大切な景色なんかもしれんにゃ。

焦らなくていい。
あなたは、ちゃんと生きてる。
そのこと自体が、もう『目的』になってるんかもしれないにゃ。

 

🧘‍♀️心のワーク

1.「生まれてきた理由」について、心に浮かぶまま書き出してみよう
ノートやスマホメモに、「わたしが生まれてきた理由ってなんだろう?」という問いを置いて、
答えが出なくてもかまいません。
ふと浮かぶ感情、言葉、記憶を自由に書き出してみてください。
それはきっと、あなたの魂からのささやきかもしれません。

2. 子どもの頃の自分に声をかけてみよう
「こうしなきゃ」「誰かの役に立たなきゃ」と思っていた頃の、幼い自分を思い浮かべてみましょう。
その子に、今のあなたならどんな言葉をかけてあげますか?
やさしく、あたたかく、寄り添うように。

3.「わたしは、いていい」ことを許可するアファメーション
目を閉じて、胸に手をあてながら次の言葉を静かに唱えてみてください。
「わたしは、ただ“いる”だけで価値がある」
「がんばらなくても、わたしはわたしを大切にしていい」
その感覚を、心と体にしみ込ませるように何度でもどうぞ。

✍筆者のことば

「なんのために生まれてきたんだろう?」
そんな問いが心に浮かぶとき、わたしは少し不安になります。
何か大きな使命を果たさなきゃいけない気がして、
「このままの自分じゃだめなんじゃないか」って、焦ってしまうこともありました。

でも、ある日ふと気づいたんです。

もし『理由』があるとしたら、
それは誰かのようになるためじゃなく、
『わたしとして、この世界を感じるため』なんじゃないかと。

うれしい、かなしい、さみしい、たのしい。
日々の小さな感情を大切に味わいながら、
「今日も生きてるなぁ」と感じることが、魂の旅なんだと思えたんです。

答えはまだ見つからなくても大丈夫。
あなたがその問いを抱えて生きていること自体が、
もうすでに『光の道』になっているはず。

 

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悩んだとき。
ひとりで抱え込みそうなとき。
まだ「相談」と呼べるほど、言葉になっていないとき。

自分の本音がどこにあるのかわからなくなった心に、
小さく光が灯るように──
あなたが あなたに戻れるように──

そんな願いを込めて書いています。


🌊 第4作目:『水のほうへ ―― 光と闇の法則・澪編』
がんばっているのに、なぜか息が苦しい。
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🪞 第2作目:『光と闇の法則 ―― わたしを映す8つの鏡』
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心の奥にあるテーマを
「8枚の鏡」という物語構造で、やさしく見つめ直す本。
自分を責めるループから抜けたい人へ。


🥚 第1作目:『わたしと仲直りする優しいレッスン』
完璧主義、罪悪感、自分責めに疲れてきた方へ。
セルフ・コンパッション(自分への思いやり)という
新しい選択肢を、具体的な実践とともに届ける
『読むだけで少し楽になる』心のレッスン帳。


📚 どの本も共通しているのは、
答えを押しつけないこと。
無理に変えようとしないこと。

読むことで、
「あ、戻ってきたかも」
そんな感覚を思い出してもらえたら嬉しいです。

よければ、あなたの本棚にも一冊、
今の心に合うものを迎えてもらえたら──。

📚 シリーズ全話はこちら

モノとチャトラの物語全話はこちら:
https://kyoko.work/category/monotochatora/

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HSP気質で、人との距離感に悩んだり、
「ちゃんとしなきゃ」と自分に厳しくしてしまったり。
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「わたし、このままでいいのかな?」
「ちゃんとできない自分を責めちゃう」
そんなモヤモヤも、心の奥にある『あなたの願い』も、大切に聴かせてくださいね。

── ひとりで抱え込まなくて、大丈夫。
あなたのままで、安心して話せる場所、ここにあります。
(守秘義務がありますので、相談内容はどこにも漏れません)

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