次元を超えて遊ぶ─魂の自由と遊び心|猫物語84話

モノとチャトラの物語

ある夜。
ソラ君は屋根の上で、月を見上げていた。
その背中は静かで、けれどどこか、夜そのものと溶け合っているようだった。

そこへ、チャトラがひょいと顔を出す。

「ソラ君、なにしてんの?」

ソラ君はすぐには答えず、月から目を離さないまま言った。

「……ねえチャトラ。
 たまにはさ、ちょっと『遊んでみない?』」

「遊ぶ? ここで? 夜に?」

チャトラは首をかしげる。
ソラ君は小さくうなずいた。

「うん。
 でも、いつもの遊びとは、ちょっとちがう」

その言葉を聞いた瞬間、
チャトラの胸の奥が、ふっと軽くなった。

理由はわからない。
ただ、「おもしろそう」と思った。


屋根の上の空気が、少しだけ変わる。
風がやわらかくなり、月明かりが輪郭を失って広がっていく。

チャトラは、足元が軽くなる感覚に気づいた。

「……あれ? なんか、体がふわっとしてきた」

「無理に何かしようとしなくていいよ」

ソラ君の声は低く、静かだった。

「ただ、感じてみて」


次の瞬間。
チャトラは『飛んでいる』というより、
空と同じリズムになっているような感覚に包まれていた。

屋根も、街も、遠ざかっていく。
でも怖くはない。

星と星のあいだをすり抜けるように、
思考がほどけ、重さが消えていく。

「わぁ……」

声に出したつもりだったけれど、
それは音にならず、光みたいに広がった。

ここには時間も、正しさも、役割もない。
ただ、「楽しい」という感覚だけがある。


「なぁソラ君……」

チャトラは、くるりと回りながら言った。

「ここやと、わたし……
 弱さとか、不安とか、ぜんぶ忘れてまう」

ソラ君は、少しだけ目を細めた。

「忘れる、っていうより……
 もともと、なかったことを思い出してるだけかもね」

「え?」

 

「魂ってね、本当はすごく軽くて、
 遊ぶのが得意なんだよ」

ソラ君はそれ以上、説明しなかった。
ただ、同じ空間に『いる』だけだった。


しばらく、ふたりは何も考えずに漂った。
遊ぶ、というより、委ねる。

やがて、空の色が少しずつ変わりはじめる。
夜明けの気配だった。

気づけば、屋根の上。
月は低くなり、街はいつもの姿を取り戻している。

チャトラは、名残惜しそうに息をついた。

「……楽しかったなぁ」

 

「うん」

ソラ君は短く答えた。

「また行ける?」

チャトラが聞くと、
ソラ君は空を見上げて、静かに言った。

「遊び心を忘れなければ、
 どこにいても、あの場所はひらくよ


チャトラは、その言葉を胸にしまった。
難しい意味はわからない。

でも、確かに体は覚えていた。
『ただ楽しい』だけで、心が整う感覚を。

夜は、静かに明けていった。


モノとチャトラより、あなたへ

わたしたちは、大人になると「役に立つこと」や「正しいこと」ばかりを考えがちにゃん。
でも、魂の本質はもっとシンプルで、自由で、遊び心にあふれているんだにゃ。
ときには「ただ楽しいから」という理由だけで何かをしてみてもいいのだにゃ。
そこにこそ、癒しと生きる力が隠れているのだにゃ。


筆者の言葉

心理学者フロイトの弟子であるユングは、人の心に「子どもの元型(child archetype)」が存在すると述べました。
それは純粋さや創造性、遊び心を象徴する部分で、人生の困難を乗り越える大切なエネルギー源だと言われています。
また、ポジティブ心理学でも「プレイフルネス(遊び心)」は幸福感やレジリエンスを高める要因として注目されています。

ソラとチャトラの体験は、まさにこの「遊び心の回復」でした。
遊び心は現実逃避ではなく、心の柔軟さを取り戻し、新しい視点を与えてくれるもの。
それは魂が本来持っている『自由』そのものです。


心のワーク

  1. 子どもの頃の遊びを思い出す
    紙に、子どもの頃に夢中になった遊びを書き出してみましょう。
  2. 「意味のないこと」をする
    結果や役に立つかを考えず、ただ楽しいと思うことを一つやってみてください。
  3. 自由にイメージする
    目を閉じて、自分が空を飛んだり、光になったりするイメージを思い切り楽しんでみましょう。

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悩んだとき。
ひとりで抱え込みそうなとき。
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あなたが あなたに戻れるように──

そんな願いを込めて書いています。


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