うまく話せなかった夜-敏感さんの心の距離感 猫の物語17

モノとチャトラの物語

チャトラ、言葉が足りなかった夜─心の距離に悩んだふたりの物語|モノとチャトラの物語【第17話】

ある晩のこと。

屋根裏で、チャトラとソラが並んで空を見上げていた。

……けれど、どこかぎこちない空気が流れている。

ソラのアイコン「月、きれいだね」

ソラがぽつりとつぶやくと、チャトラは

チャトラのアイコン「うん」

とだけ返した。

その返事に、ソラはしゅんとした表情になる。

ソラのアイコン(……なんで、ちゃんと返してくれないのかな。怒ってるのかな)

ソラは静かに立ち上がり、少しだけ離れた場所に移動した。

チャトラはその背中をちらっと見たけれど、何も言わなかった。

それぞれの心にあったもの

実は、チャトラの心はざわざわしていた。

チャトラのアイコンわたしは、ちゃんとケアできるやろか……」

モノのように、やさしくもなれない。ソラみたいに、言葉を上手に選べない。

「どうせ、わたしなんて……」そんな思いが、心を曇らせていた。

ほんとはソラに、「月、きれいやな」って返したかった。 「隣におってくれて、うれしい」って、言いたかった。

でも、口を開こうとすると、不安がつっかえる。

『間違ったこと言ったらどうしよう』『うまく伝わらんかったら…』

気づけばチャトラは、また黙り込んでしまっていた。

一方のソラも、自分の感情に戸惑っていた。

チャトラのそっけない態度に、何か悪いことを言ったのかと不安になっていた。

ソラのアイコン「もしかして……ぼく、うざかったのかな……」

気づかれないように、そっとため息をついた。

あたたかくなりたくて近づいたのに、なぜか遠ざけられたような気がして、 心のなかがしょんぼりと沈んでいった。

モノの言葉が、そっと届く

その様子を、少し離れたところからモノが見ていた。

モノのアイコン「……ふたりとも、ほんまはお互いのこと気にしとるんやないかな〜?」

モノはそっと近づき、二匹の間にポンと座った。

モノのアイコン「なんも言わんでも、そばにおるだけで、届くこともあるよ〜」

チャトラとソラは顔を見合わせて、ほんの少しだけ笑った。

その夜、3匹は静かに月を見上げた。 言葉は少なかったけれど、なんとなく、気持ちが近づいた気がした。


モノとチャトラより、あなたへ

人との距離感って、むずかしいことがあるにゃ。

そばにいたいのに、うまく言葉にできない。

反応が薄いと、「嫌われたかも」と思ってしまうにゃ。

でも、そんな不器用さも、あなたの大切な一部なのにゃ。

ゆっくりでもいい、あなたが心地のよい心の距離を育てていけますように。

筆者の距離感バグってる話

人間関係の「距離のとり方」がわからずに悩むこと、私もたくさんありました。近すぎても行けないし、そっけなくても行けない。基本的にフレンドリーですし、留学していたからか、知らない人に話しかけたりするのも気にならない。逆に近すぎるというか親しくしすぎてしまう時もある。

だからこそ、「気にしすぎかも」と思いながらも、心が反応してしまう。なぜならいい塩梅が自分でもわからないから。

ちなみに、心理学ではこのような「人との距離感に過敏な反応をしてしまう傾向」は、主に以下のような概念と関連づけて説明されています。

  • 愛着スタイル(Attachment Styles)
    幼少期の親との関わり方をもとに形成される「人との距離のとり方」のパターンで、特に不安型回避型のスタイルは、相手との近さに強く反応してしまいやすいと言われています。
  • HSP(Highly Sensitive Person)
    生まれつき感覚が繊細な気質の人たちは、相手の表情や声色、言葉のニュアンスなど微細な変化を敏感にキャッチし、それによって過剰な気疲れや誤解への不安を感じやすい傾向があります。
  • メンタライジング(Mentalizing)
    相手の心を推測しようとする力で、社会的な関係性に必要不可欠なスキルですが、これが“過剰”になると、必要以上に相手の反応を深読みしてしまい、自分の行動を過度にコントロールしようとする疲労に繋がることもあります。

ここで、特に多くの人が当てはまりやすい愛着スタイル(Attachment Styles)の不安型」と「回避型」について、少し詳しく説明してみます。ちなみにこれ、夫婦関係とか恋人関係で、、共依存になりがちの組み合わせ!!

不安型(不安-執着型)

  • 人からの反応や言葉にとても敏感
  • 拒否されることに強い不安を感じやすい
  • つながっていたくて相手に依存しやすくなる
  • ちょっとしたLINEの間が気になってしまうことも…

幼少期に、愛情の供給が不安定だったり、親の気分に振り回される経験があると、
「相手の気持ちが離れてしまうかもしれない」という不安を常に抱えやすくなります。

回避型(回避-拒否型)

  • 人とのつながりを求めているけれど近づくのが怖い
  • ひとりで抱え込みやすい(でも本当は頼りたい)
  • 感情を見せることに抵抗を感じる
  • 「どうせわかってもらえない」と距離を取ってしまう

これは、感情を表現したときに否定されたり無視された経験があると、
「人に気持ちを見せる=危険」だと感じてしまう防衛反応ともいえます。

どちらのタイプも、共通しているのは「ほんとうは分かり合いたい、でも傷つくのが怖い」という気持ち。

だからこそ、まずはその気持ちを責めるのではなく、
「わたしがわたしを理解してあげる」という姿勢から始めてみましょう。

人との距離感は、相手に合わせるものではなく、
「自分にとって心地よい距離」を知り、それを育てていくことが大切。

話を続けなくてもいいんです。沈黙でも心地よい関係もあります。


心のワーク|敏感さんの心の距離感を整えるヒント

  1. 最近、人とのやりとりで「なんだか疲れた」と感じた場面をひとつ思い出してみましょう。
  2. そのとき、自分がどんな気持ちだったかを言葉にしてみて。
  3. 心地よい距離感って、自分にとってどんな状態? イメージしてみましょう。

 

 

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悩んだとき。
ひとりで抱え込みそうなとき。
まだ「相談」と呼べるほど、言葉になっていないとき。

自分の本音がどこにあるのかわからなくなった心に、
小さく光が灯るように──
あなたが あなたに戻れるように──

そんな願いを込めて書いています。


🌊 第4作目:『水のほうへ ―― 光と闇の法則・澪編』
がんばっているのに、なぜか息が苦しい。
ちゃんと話しているはずなのに、心がすり減っていく──
「強くなること」を選び続けてきた女性・澪が、
もう一度“自分に戻る”までを描いた、静かな再生の物語。
境界線・呼吸・安心感をテーマにした一冊です。


🌙 第3作目:『話してるのに伝わらない夫と、心がすり減る妻』
「どうしてこんなにすれ違うの?」
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夫婦・パートナー間で起こる
見えない心理のズレを言語化し、
境界線の視点からほどいていく一冊。


🪞 第2作目:『光と闇の法則 ―― わたしを映す8つの鏡』
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自分を責めるループから抜けたい人へ。


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セルフ・コンパッション(自分への思いやり)という
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『読むだけで少し楽になる』心のレッスン帳。


📚 どの本も共通しているのは、
答えを押しつけないこと。
無理に変えようとしないこと。

読むことで、
「あ、戻ってきたかも」
そんな感覚を思い出してもらえたら嬉しいです。

よければ、あなたの本棚にも一冊、
今の心に合うものを迎えてもらえたら──。

📚 シリーズ全話はこちら

モノとチャトラの物語全話はこちら:
https://kyoko.work/category/monotochatora/

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「ちゃんとしなきゃ」と自分に厳しくしてしまったり。
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「わたし、このままでいいのかな?」
「ちゃんとできない自分を責めちゃう」
そんなモヤモヤも、心の奥にある『あなたの願い』も、大切に聴かせてくださいね。

── ひとりで抱え込まなくて、大丈夫。
あなたのままで、安心して話せる場所、ここにあります。
(守秘義務がありますので、相談内容はどこにも漏れません)

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