ひとりになりたい─HSPさんの繋がりと孤独|猫物語28

モノとチャトラの物語

その日のチャトラは、ずっとなんとなく落ち着かない様子だった。

モノとソラが並んでなにやら楽しそうにしているのを、遠くからぼんやりと見つめていた。

「……なんでやろな」

小さくつぶやきながら、チャトラはそっと屋根裏の隅に身を潜めた。

「なんか、うるさい……いや、ちがうな……『にぎやか』が、しんどい」

自分でも理由がよくわからなかった。

モノもソラも、別にイヤなことをしてきたわけじゃない。優しいし、あったかい。

でも、「いまは、誰とも話したくない」そんな気分だった。

ひとりになると、ホッとする。呼吸がしやすくなる。

でも同時に、胸の奥がキュッとなって、「なんでこんな風にしかなれんのやろ」って、自分を責めたくなった。

そんなとき、静かに足音が近づいてきた。

「チャトラ、大丈夫か?」

モノだった。

「……だいじょうぶ。ひとりでいたいだけやから」

モノはそれを聞いて、チャトラの横にちょこんと座った。何も言わずに。

しばらく沈黙が流れたあと、チャトラがぽつりと口を開いた。

「わたし……すぐに疲れるんよ。誰かと一緒におるの、好きなんやけど……ずっとやと、しんどくなる」

モノはゆっくりうなずいた。

「わかるで。チャトラは、人の気持ちにすぐ気づくからな。空気いっぱい感じるから、疲れるんやと思う」

「でも、それがイヤでさ。なんか、わたしって、ややこしいなって……」

「ええやん。ややこしくて。チャトラはチャトラや」

モノの言葉は、やさしくてあったかかった。チャトラは思わず、ふふっと小さく笑った。

「あんたって、なんでそんなにわたしを責めへんの?」

「……ぼくも、似たようなとこあるからかもな。人とおるの、好きやけど、ひとりも大事」

チャトラはしっぽをふわっと巻いて、モノの肩にそっともたれた。

「……そっか。ひとりになりたくなるのも、『繋がり』を大事にしたいからなんかもな」

モノはうなずいた。

「そうやと思う。大事やからこそ、ちゃんと『ひとり』になる時間が必要なんや」

チャトラは目を閉じた。

静かな沈黙の中で、自分の繊細さを、少しだけ受け入れられた気がした。

「ありがとう、モノ」

「ええよ。いつでもそばにおるで」


モノとチャトラより、あなたへ

HSPの人にとって、「ひとりになりたくなる」のは、ごく自然なことにゃん。

人との繋がりを大事にしているからこそ、
ときに“情報”や“感情”が多すぎて、心が疲れてしまうんだにゃ。

「ひとりになりたい」と感じたとき、それはあなたの内側の声。
やさしく応えてあげてくださいにゃ。



筆者のことば

わたし自身、家族といても、誰かと遊んでいても、
ふと「ひとりになりたい」と思うことがあります。

昔はそれを「わがまま」「変わってる」と感じていました。
でも今は、それが「わたしの感受性」なんだと思えるようになりました。

「ひとりになりたい」と思うことは、誰かと繋がりたくないわけじゃない。
むしろ、繋がりを大切にしたいからこそ、自分の内側に戻る時間が必要だということ。

HSPの人は、人の気持ちに敏感で、ちいさな変化にもすぐに気づきます。
音や光、人混みの空気……それらに疲れやすい反面、美しいものや優しさにも深く感動できる素晴らしい感性を持っています。

「繊細であること」は決して弱さじゃなく、世界をやさしく見つめる強さでもあると、わたしは思っています。

もしあなたが「なんだか疲れやすいな」と感じていたら、それは「敏感さ」を大切にしたいという心の声かもしれません。

この物語が、そんなあなたの繊細さにやさしく寄り添えますように。


 心のワーク

  1. 最近「ひとりになりたい」と感じた瞬間はありましたか?
  2. そのとき、心の中ではどんな感情が動いていましたか?
  3. 自分を守るための「ひとり時間」を、どんなふうに過ごしてみたいですか?

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悩んだとき。
ひとりで抱え込みそうなとき。
まだ「相談」と呼べるほど、言葉になっていないとき。

自分の本音がどこにあるのかわからなくなった心に、
小さく光が灯るように──
あなたが あなたに戻れるように──

そんな願いを込めて書いています。


🌊 第4作目:『水のほうへ ―― 光と闇の法則・澪編』
がんばっているのに、なぜか息が苦しい。
ちゃんと話しているはずなのに、心がすり減っていく──
「強くなること」を選び続けてきた女性・澪が、
もう一度“自分に戻る”までを描いた、静かな再生の物語。
境界線・呼吸・安心感をテーマにした一冊です。


🌙 第3作目:『話してるのに伝わらない夫と、心がすり減る妻』
「どうしてこんなにすれ違うの?」
「話しているだけなのに、なぜ傷つくの?」
夫婦・パートナー間で起こる
見えない心理のズレを言語化し、
境界線の視点からほどいていく一冊。


🪞 第2作目:『光と闇の法則 ―― わたしを映す8つの鏡』
HSP気質、インナーチャイルド、自己肯定感の低さ──
心の奥にあるテーマを
「8枚の鏡」という物語構造で、やさしく見つめ直す本。
自分を責めるループから抜けたい人へ。


🥚 第1作目:『わたしと仲直りする優しいレッスン』
完璧主義、罪悪感、自分責めに疲れてきた方へ。
セルフ・コンパッション(自分への思いやり)という
新しい選択肢を、具体的な実践とともに届ける
『読むだけで少し楽になる』心のレッスン帳。


📚 どの本も共通しているのは、
答えを押しつけないこと。
無理に変えようとしないこと。

読むことで、
「あ、戻ってきたかも」
そんな感覚を思い出してもらえたら嬉しいです。

よければ、あなたの本棚にも一冊、
今の心に合うものを迎えてもらえたら──。

📚 シリーズ全話はこちら

モノとチャトラの物語全話はこちら:
https://kyoko.work/category/monotochatora/

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