雨上がりの庭で、ソラ君はじっと空を見上げていた。
チャトラがそっと近づくと、ソラ君は少しだけ目を伏せて、小さな声で言った。
「ぼく、ちょっと苦手なんだ……声の大きい人。」
チャトラは、ふと昔のことを思い出した。小さい頃、近所のおばちゃんの大きな声にびくっとして隠れた自分。なにも悪いことしてないのに、心臓がどきどきして動けなくなったこと。
「……わたしも、わかるよ」
ソラ君はびっくりした顔をした。
「チャトラでも? 明るくて、強そうなのに」
「そんな風に見えるだけで、ほんとは繊細なんやよ。なんかこう、音とか光とか、すごく気になってまう」
ソラ君は少し安心したように、毛づくろいをはじめた。
「昔、怒鳴られたことがあるんだ」
ソラ君の声は震えていた。
「まだちいさい時だったけど、たぶん、ぼく、ずっとその記憶を引きずってる。声が大きいってだけで、身体が固まるの。耳がキュッてなって、空気が冷たくなる」
チャトラはそっとソラ君の背中に鼻を寄せた。
「ソラ君、それってたぶん……HSPなんやと思う」
「えいち……えすぴー?」
「Highly Sensitive Person。繊細さんって言われる気質やよ。脳が人よりも深く処理する傾向があるんやって。だから、人の感情や、まわりの刺激にもすごく反応しやすい」
ソラ君は目をぱちくりさせた。
「じゃあ、ぼくが悪いんじゃないんだ……?」
「うん、全然悪くない。むしろ、すごく優しくて、共感できる心を持ってるってことやよ」
ソラ君は小さくうなずいた。
「でも、なんでこんなに疲れちゃうんだろう」
「環境ストレスやと思う。においや音、人混み、緊張感……そういうのが積み重なると、HSPさんはどっと疲れちゃうんや」
ソラ君は、ぽつりと言った。
「じゃあ、ぼく、無理しなくてもいいのかな」
「もちろん。ソラ君は、ソラ君のままでいいんやよ」
チャトラの言葉に、ソラ君は初めてほっとしたように目を閉じた。
雨上がりの空に、少しだけ光が差しこんでいた。
モノとチャトラより、あなたへ
「声の大きい人が苦手」「すぐに緊張する」
そんなあなたは、もしかしたらHSPかもしれないにゃ?
それは「弱さ」ではなく、「感受性の豊かさ」なんだにゃ。疲れた時のおすすめの対応方法は
-
刺激から離れて「ひとり時間」を持つ(自然、静かな空間など)
-
呼吸法や瞑想で神経系をリセットする
-
自分の繊細さを否定せず、「個性」として受け入れる
自分の感じ方を否定せず、大切に扱ってあげて欲しいにゃ。
筆者のことば
わたしは幼いころ、大きな声がとても苦手でした。父が急に怒るのが嫌だったのかもしれません。(前触れがないもので。。)
それが怒鳴り声であっても、そうでなくても、身体が勝手にこわばってしまうのです。
今思えば、それは「繊細さ」というギフトの一つでした。
HSPという言葉に出会い、深く理解することで、自分の感じ方を大切にできるようになりました。
そして、自分とは違うHSPの方の言葉も深く受け入れられるようになりました。
特に夫は、わたし以上に、音に敏感なので眠りも浅いようです。
もしも、狩猟民族だったら、夫のような人は長生きするんじゃないかな、と思います。
物音や、違和感に敏感で、人が感じないようなものを感じることができるのですから。
現代は気にすることが多すぎるのかもしれませんね。
この物語が、誰かの「わたしはこのままでいいんだ」と思えるきっかけになればうれしいです。
この動画は、閲覧注意かもしれないです。再生する場合は、ご注意。
歌詞もですし、音も大きいかも。
大声は嫌いな筆者ですが、大きな音で音楽を聴くのは大好きです。
心のワーク
- 最近「しんどかった」場面を3つ思い出してみてください。
- そこにはどんな刺激(音・匂い・人・空気感など)があったか? 感じたままを書き出してみましょう。
- 「そんな自分を責めずに、そのままでいい」と、自分に向かってやさしく声をかけてあげてください。
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悩んだとき。
ひとりで抱え込みそうなとき。
まだ「相談」と呼べるほど、言葉になっていないとき。
自分の本音がどこにあるのかわからなくなった心に、
小さく光が灯るように──
あなたが あなたに戻れるように──
そんな願いを込めて書いています。
🌊 第4作目:『水のほうへ ―― 光と闇の法則・澪編』
がんばっているのに、なぜか息が苦しい。
ちゃんと話しているはずなのに、心がすり減っていく──
「強くなること」を選び続けてきた女性・澪が、
もう一度“自分に戻る”までを描いた、静かな再生の物語。
境界線・呼吸・安心感をテーマにした一冊です。
🌙 第3作目:『話してるのに伝わらない夫と、心がすり減る妻』
「どうしてこんなにすれ違うの?」
「話しているだけなのに、なぜ傷つくの?」
夫婦・パートナー間で起こる
見えない心理のズレを言語化し、
境界線の視点からほどいていく一冊。
🪞 第2作目:『光と闇の法則 ―― わたしを映す8つの鏡』
HSP気質、インナーチャイルド、自己肯定感の低さ──
心の奥にあるテーマを
「8枚の鏡」という物語構造で、やさしく見つめ直す本。
自分を責めるループから抜けたい人へ。
🥚 第1作目:『わたしと仲直りする優しいレッスン』
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今の心に合うものを迎えてもらえたら──。
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モノとチャトラの物語全話はこちら:
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