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モノとチャトラの物語

比べてしまう夜に、立ち止まる|猫物語93

夕方、空が少しだけ曇っていた。光はあるのに、どこか輪郭がぼやけている。チャトラは縁側に座り、前足をそろえたまま動かなかった。モノはその様子を見て、そっと隣に来る。「……なぁ、チャトラ。元気ないな」チャトラは、しばらく黙ってから言った。「なぁ...
モノとチャトラの物語

なにも急がなくていい朝|猫物語92

朝。カーテンのすき間から、やわらかな光が差し込んでいた。モノはまだ半分眠ったまま、丸くなっている。チャトラは先に目を覚まして、静かに天井を見つめていた。昨日は、なにも起きなかった。そして今日も、今のところ、なにも起きていない。──それなのに...
モノとチャトラの物語

なにも起きなかった一日を、ちゃんと終える 猫物語91話

夕方。窓の外が、ゆっくりとオレンジ色に染まっていく。モノは縁側に座り、外をぼんやり眺めていた。チャトラは少し離れたところで、丸くなっている。今日一日を思い返しても、特別なことは、なにもなかった。けんかもない。泣くほどつらい出来事もない。かと...
モノとチャトラの物語

強がらなくても、ここにいていい朝|猫物語89話

朝の光が、屋根裏の窓から静かに差し込んでいた。チャトラは、まだ少し重たい体を引きずるように目を覚ました。「……朝、か」昨日あんなに泣いたのに、世界は何事もなかったように朝を連れてくる。そのことが、少し不思議で、少し救いでもあった。隣を見ると...
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わかり合えないふたりの心を、そっとつなぐ本 kindle本第三段を出版しました

こんにちは、きょこ*ことのは です。今日は、ずっと書き続けてきた Kindle書籍 第3弾 の出版について、少しお話しさせてください。「話してるのに通じない」その静かな苦しさに、名前をつけたかった夫婦のすれ違い。ケンカではないのに、心が遠く...
モノとチャトラの物語

また強がってしまった夜ー素直になれない|猫物語88話

夜が更けて、屋根裏に静けさが落ちてきた。昼間はあんなに動いて、笑って、平気な顔してたのに。チャトラは、毛布みたいに暗い夜に包まれた瞬間、ふっと胸が重くなるのを感じた。「……あれ?」胸の奥が、きゅっと固くなる。言葉にならない疲れが、波みたいに...
モノとチャトラの物語

やさしさで溶けていく─すべてを受け容れる境地|猫物語87話

夜が深まっていく。庭に差し込む月明かりは静かで、どこかやさしい。ソラ君が残してくれた言葉が、まだチャトラの胸に響いていた。──「ほんまの強さは、つながりを受け入れること」。チャトラはずっと「強くなきゃ」と思って生きてきた。泣いたら笑われる。...
モノとチャトラの物語

ソラ、最後のメッセージを残す─愛と叡智の贈り物|猫物語86

夜の空気がひんやりとして、月がやわらかく庭を照らしていた。ソラ君は縁側に座り、遠くの星をじっと見つめていた。チャトラとモノは、その横にちょこんと並ぶ。「なぁ……モノ、チャトラ。ぼく、そろそろ行かなきゃいけないみたいなんだ」その声はいつもと変...
モノとチャトラの物語

地球という星に恋をする─今ここの歓び|猫物語85

ある夜。月の光が、ふんわりと庭を照らしていた。縁側にちょこんと座り、モノは星空をじっと見上げている。その少し奥で、ソラ君が静かに丸くなり、夜の気配をやわらかく保っていた。「……なぁ、チャトラ」モノが、ぽつりと言った。「ぼく、この星に恋してる...
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次元を超えて遊ぶ─魂の自由と遊び心|猫物語84話

ある夜。ソラ君は屋根の上で、月を見上げていた。その背中は静かで、けれどどこか、夜そのものと溶け合っているようだった。そこへ、チャトラがひょいと顔を出す。「ソラ君、なにしてんの?」ソラ君はすぐには答えず、月から目を離さないまま言った。「……ね...